犬にスイカを与えても問題ありません。ただし、犬にスイカを食べさせる場合は、スイカの量や部位に注意しましょう。
犬はスイカを食べてもいい
犬がスイカを食べても、基本的には問題ありません。また、スイカに含まれる成分や栄養素の中には、犬に良い影響をもたらすものもあります。
水分 | スイカの90%は水分でできています。犬はほとんど汗をかくことがなく、体温調節が苦手なため、高温多湿な日本では熱中症になる犬が多くなっています。日本で夏を過ごす犬にスイカを与えると、水分が補給でき、熱中症予防にもつながります。 ただし、犬にスイカを与えれば熱中症が必ず防げるわけではないため、犬が水分を摂れているか、暑そうにしていないかはよく確認するようにしてください。 |
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カリウム | スイカに含まれるカリウムは、筋肉や神経の機能を正常に保つミネラルです。また、利尿作用があり、塩分の摂りすぎを抑制してくれます。 |
βカロテン | スイカには、βカロテンが100gあたり約830μgほど含まれています。βカロテンは体の中でビタミンAに変換され、暗闇での目の機能をサポートする、粘膜や皮膜を健康な状態に保ったりするといったはたらきをしてくれます。 |
シトルリン | シトルリンは血管拡張作用があるアミノ酸の一種で、血流を良く心臓の機能をサポートしてくれます。そのほか、冷えやむくみの改善、新陳代謝の活性化などの効果があります。 |
リコピン | リコピンには血流の改善や強い抗酸化作用があり、免疫力を維持してくれます。 |
犬に与えるスイカの量と調理法
犬にスイカを与えても問題ありませんが、主食ではなく、あくまでおやつとして与えるようにしましょう。
ドッグフードは、犬に必要な栄養素がバランスよく配合されています。スイカを食べすぎるとお腹がいっぱいになってドッグフードを食べる量が減り、栄養バランスに偏りが出る可能性があるためです。また、スイカには水分が多く含まれるため、食べすぎると犬が下痢をするおそれもあります。
犬に与えてもいいスイカの量は、1日あたりスイカ1~2切れ(約30g)を目安です。犬の体格によってはさらに与えても問題ないケースもありますが、必ずしも食べさせる必要はないため、ほどほどにしましょう。
犬にスイカを与える際の注意点
犬にスイカを与える際は、与える量や部位に注意が必要です。また、スイカをはじめとしたウリ科の野菜・果物に対するアレルギーがある可能性も稀にあるため、犬に最初にスイカを与えるときは少量だけ与え、数日ほど様子を見るようにしてください。
スイカは小さく切って生のまま与える
犬にスイカを与えるときは、果肉を2㎝ほどに小さく切って与えましょう。小型犬や食べ物をあまり噛まない犬が大きな果肉を食べると、のどに詰まらせてしまう可能性があるためです。
スイカの種や皮は取り除く
犬にスイカを与えるときは、種と皮を取り除きましょう。スイカの種と皮は消化に悪く、種と芯に関しては腸に詰まる可能性もあるためです。スイカの種や皮が腸に詰まると、最悪の場合はメスを入れての開腹手術をしなければいけないこともあります。
犬がスイカの種や皮を食べないよう取り除くことはもちろん、犬の手が届く場所に、食べ終わった種や皮を放置しないようにしましょう。
スイカの加工品は食べさせない
犬にスイカを食べさせるのは構いませんが、スイカの加工品は食べさせないようにしましょう。スイカのゼリーやコンポート、ジュースといった加工品には、砂糖が大量に含まれていることもあるためです。また、スイカに見立てたパンやアイスなども与えないようにしてください。
腎臓や肝臓が弱い犬にはスイカを食べさせない
腎臓や肝臓が弱い犬には、スイカを食べさせないようにしましょう。
スイカにはβカロテンが多量に含まれており、犬の体内でビタミンAに変換されます。このビタミンAは、腎臓や肝臓に蓄積されやすく、腎臓や肝臓の弱い犬にとっては負担になってしまうこともあります。腎臓や肝臓の弱い犬にスイカをどうしても与えたいときは、医師の判断を仰ぎましょう。
アレルギーを確認する
犬の中には、ウリ科の野菜や果物に対してアレルギーを持つ犬もいます。ウリアレルギーの犬に、スイカをはじめとしたウリ科の野菜・果物を与えると、下痢や嘔吐、湿疹、発疹、皮膚の赤みやかゆみ、腫れなどのアレルギー症状が出ます。このような異変があった場合は、すぐに動物病院を受診してください。
また、犬のアレルギーには、環境因子による犬アトピー性皮膚炎と食物による食物アレルギーの2種類があり、どちらも症状や症状が出る部位がよく似ています。そのため、違いを見極めることが大切です。とくに、犬の食物アレルギーが発症するのはアレルゲンとなる食べ物を食べてから数十時間後と遅く、食べ物が原因で発症したかどうかがわかりにくいため、注意しましょう。
こうしたアレルギー症状の悪化を防ぐために、犬にスイカを初めて与えるときには、果汁や果肉を少しだけ与えて様子を見てください。万が一おかしな症状が出たら動物病院をすぐに受診し、ウリ科の野菜・果物を与えるのは避けましょう。