とうもろこしは犬に与えても大丈夫です。とうもろこしにはエネルギー源となる炭水化物やビタミンなど、犬の健康維持に必要な栄養素が含まれています。甘くて美味しいとうもろこしが好きな犬も多いですが、とうもろこしは与え方に注意が必要です。
この記事では、犬にとうもろこしを与える際の注意点や適切な量について解説します。
犬はとうもろこしを食べてもいい
冒頭でもお伝えした通り、犬にとうもろこしを与えても大丈夫です。便通を整える働きがある食物繊維や、エネルギーの代謝を助けるビタミンB群などが含まれています。
とうもろこし(スイートコーン)に含まれる主な栄養素(可食部100gあたり)
エネルギー | 89㎉ |
水分 | 77.1g |
タンパク質 | 3.6g |
脂質 | 1.7g |
炭水化物 | 16.8g |
灰分 | 0.8g |
食物繊維 | とうもろこしは100gあたり約3gの食物繊維が含まれています。食物繊維は、便のカサを増やして腸の動きを活発にして便通を良くするほか、腸内環境を整える効果もあります。 |
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ビタミンB群 | とうもろこしには100gあたり0.12gのビタミンB1と、0.1gのビタミンB2といったビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は、炭水化物や脂質をエネルギー源に変えるために必要な栄養素です。 |
ビタミンC | とうもろこしには100gあたり6㎎のビタミンCが含まれています。ビタミンCは、抗酸化作用による病気の予防や老化防止に役立ちます。犬は体内でビタミンCを合成できるため、サプリメントやおやつなどで補給する必要はありません。しかしストレスや加齢によってビタミンCの合成能力が落ちるため、とうもろこしのようなビタミンCを含む食物やおやつなどで補給してあげるとよいでしょう。 |
犬に与えるとうもろこしの量と調理法
犬にとうもろこしを与えるときは、以下の表を目安とし、食事ではなくおやつとして与えてみてください。
小型犬(体重1~3㎏程度) | 12g~28g |
中型犬(体重4~10㎏程度) | 32g~70g |
大型犬(体重11~30㎏程度) | 76g~161g |
上記の量は、去勢・避妊手術をしていない健康で普通の活動量の成犬を対象としています。犬の年齢や運動量、健康状態によっては過剰摂取となる場合がありますので注意しましょう。 また、上記の表は犬の1日の総摂取カロリーの目安1割として計算しています。犬の体調や年齢によっては下痢や嘔吐などの症状があらわれる場合があります。
とうもろこしは小さく切って茹でて与える
とうもろこしは必ず茹でるか、もしくは電子レンジで加熱してから与えるようにしましょう。生のままのとうもろこしは表皮がかたく、そのまま与えると消化器に負担がかかってしまいます。
小型犬やあまり噛まずに丸飲みしてしまう犬には、食べやすいように小さく刻んで与えるとよいでしょう。
犬にとうもろこしを与える際の注意点
とうもろこしの芯は取り除く
とうもろこしは必ず芯を取り除き、実の部分だけを与えるようにしてください。とうもろこしの芯は非常に固いため、犬が丸飲みすると気道をふさいでしまい、呼吸困難に陥る危険性があります。
また、芯が胃に到達したとしても消化されずに腸を塞ぐ「腸閉塞」を起こす可能性もあります。腸閉塞を起こすと開腹手術をして芯を取り出す必要があるため、犬の体に非常に負担がかかります。とうもろこしを与える際は芯を必ず取り除き、実だけを与えるようにしてください。また、取り除いた芯を犬が誤って食べないよう、すぐにゴミ箱に捨てるようにしましょう。
とうもろこしの加工品は食べさせない
人の食べ物には、とうもろこしを加工したスープや缶詰などがありますが、人用に砂糖や塩で味付けされているため犬には与えないようにしましょう。糖分や塩分の過剰摂取につながります。また、ポップコーンも味付けされたものは避けるようにしてください。
アレルギーを確認する
とうもろこしはイネ科の植物ですので、過去に同じイネ科植物の小麦などでアレルギー症状が出たことがある場合は、とうもろこしを与えるのは控えるようにしましょう。
アレルギーには、ダニや花粉などに過剰な免疫反応を起こす犬アトピー性皮膚炎と、食べ物による食物アレルギーがあります。
いずれも皮膚のかゆみや発疹、脱毛などの症状があらわれ、体を擦り付けたり舐めたり、引っ掻いたりする行動が見られます。また、アレルギーにはすぐに症状を発症する即時型と、遅れて発症する非即時型があります。即時型はアレルゲンの摂取後、数分で症状があらわれますが、非即時型は半日程度経ってから症状があらわれます。
初めてとうもろこしを与える際は、食べた後に体をかゆがっていないかなど注意深く観察しましょう。もし何らかのアレルギー症状があらわれた場合は、動物病院で診察を受け、とうもろこしによるアレルギーと診断された場合は、今後とうもろこしを与えないよう注意してください。