【防災アンケート結果】愛犬と避難できる?飼い主194人が抱えるリアルな不安と備え

2026/03/27

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  • 【防災意識と不安】飼い主194名への調査で、94.3%(183人)が同行避難を重要視する一方、避難所を躊躇する最大の理由は「周囲への迷惑(鳴き声・抜け毛など:161人)」という結果に。
  • 【備蓄と食事の課題】防災備蓄が十分な人は約16%(32人)のみ。非常時のフードには賞味期限より「食いつきの良さ(67人)」が求められ、食べ慣れない食事による体調不良への不安が浮き彫りになりました。
  • 【実践的な備えの不足】同行避難場所を把握していない人が9割以上(179人)、避難訓練の参加経験者はわずか約3.6%(7人)にとどまり、事前の情報収集やケージトレーニングの重要性が確認されました。

皆さま、こんにちは。健康いぬ生活スタッフのNです。
最近、地震や災害のニュースを目にするたび、「もし今ここで災害が起きたら、うちの子を連れてどう逃げればいいのだろう」と胸がざわつきます。
実は学生の時に熊本地震を経験しました。

突然の突き上げるような揺れ(前震)に、最初はそれが地震だと認識するのに時間がかかったほどです。インフラ系の仕事をしている父は仕事へ行き、祖母、母、兄、そして愛犬と、身を寄せ合いながら心細い夜を過ごしました。
さらに2日後の本震、そして津波警報。「逃げなきゃ!」と頭ではわかっていても、「どこに逃げたら良いか分からない」「何も準備していなかったから、着の身着のまま逃げるしかない」というパニック状態でした。

幸い、大きな津波は来ず大きな被害からは免れました。また、スーパーなどは徐々に開き始めたため、ご飯に困ることもありませんでしたが、地震が起きたその瞬間よりも、その後の生活の方が本当に大変でした。水が止まってしまったため、祖母の家のもう使っていない井戸から、お隣さんの太陽光発電で電力をもらって水を汲み上げ、ご近所の方と分け合って使った経験は今でも鮮明に覚えています。

「あの時、もっと備えがあれば…」
私も、一人の飼い主として災害から愛犬を守る責任があります。そこで、今回は健康いぬ生活をご利用されている飼い主様に「防災と避難に関するアンケート」を実施いたしました。
飼い主様たちのリアルな声から、愛犬を守るための「備え」について一緒に考えてみませんか?

飼い主様の防災意識と「リアルな不安」

健康いぬ生活では、ワンちゃんの飼い主さん194人に災害に関するアンケートを取りました。

災害発生時、ワンちゃんと共に避難することが「重要」と考える飼い主さんは183人

アンケートの結果、183人(94.3%)の方が「5.重要である」を選択されました。

愛犬と避難所に行くことを躊躇する理由は、「他の避難者への迷惑(鳴き声・抜け毛)」

大規模な災害時に愛犬と避難所へ行くことを躊躇(ちゅうちょ)する理由について調査したところ、最も多い回答は「他の避難者への迷惑(鳴き声・抜け毛)」で、161人に上りました。
次いで多かったのは「愛犬が慣れない環境で体調を崩す不安」で145人、3番目は「フードや水などの備蓄不足」で115人となりました。
また、「ケージに慣れていない」と回答した人が79人、「避難所の衛生状態」と回答した人も78人おり、周囲への配慮だけでなく、愛犬の心身のストレスや避難環境そのものが、飼い主にとって大きなハードルとなっていることが伺えます。

避難生活で直面する「食」の悩み

次に、避難所での生活において欠かせない「食事」に関する不安について伺いました。

避難所での生活で、愛犬の「食事」について最も心配なことは、「食べなれないフードで下痢・嘔吐をすること」

避難所での生活において、愛犬の「食事」について最も心配なことを調査したところ、最も多い回答は「食べ慣れないフードで下痢・嘔吐をすること」で、82人に上りました。
次いで多かったのは「食欲が落ちてしまうこと」で55人、3番目は「食事の場所や食器の確保」で33人となりました。
また、「アレルギー対応の食事が手に入らないこと」と回答した人も24人おり、それぞれの愛犬の体質に合わせた事前の備えや、避難所でのデリケートな変化への配慮が、飼い主にとって大きな課題となっていることが伺えます。

ワンちゃんのための防災備蓄品を「十分に準備している」飼い主さんは32人にとどまる。

避難時の食事や環境に対する事前の備えが課題となる中で、実際の「ワンちゃんのための防災備蓄品(フード、水、薬、キャリーなど)」の準備状況について調査しました。
その結果、最も多い回答は「一部準備している」で130人に上りました。一方で、「十分に準備している」と回答した人は32人にとどまり、「全く準備していない」と回答した人(32人)と同数になる結果となりました。
多くの飼い主が愛犬のための防災意識を持ち、何らかの備えを始めているものの、「十分に準備できている」と自信を持って言える層は全体のわずか約16%(194人中32人)にとどまっており、多くの飼い主にとって「完璧な災害への備え」が依然としてハードルの高い課題であることが浮き彫りになりました。

災害時の備蓄として、ドッグフードに最も求める要素は「食べやすさ(食いつき)」

さらに、具体的な備えの要となる「災害時の備蓄として、ドッグフードに『最も求める要素』は何ですか?」と尋ねたところ、興味深い事実が明らかになりました。
最も多かった回答は「食べやすさ(食いつき)」で67人、次いで「水分補給もできること」が57人となりました。一方で、一般的な防災備蓄品で重視されがちな「賞味期限の長さ(19人)」や「持ち運びやすさ(20人)」は下位にとどまる結果となっています。
この結果は、「避難所での極度のストレス下において、愛犬がご飯を食べてくれないのではないか、水を飲まないのではないか」という飼い主の強い不安(前述の「避難所での生活で心配なこと」の回答結果)と直結しています。

飼い主様が備蓄フードに求めているのは、単に「長持ちすること」ではなく、「どんな環境でも愛犬が喜んで口にしてくれて、同時に命に関わる水分補給ができること」であるという、リアルで切実な親心が反映される結果となりました。

実際の被災経験者の声

さらに、過去の災害時に愛犬との避難で「最も困ったこと・苦労したこと」について自由回答で尋ねたところ、事前の不安が現実の困難として立ちはだかった生々しい声が多数寄せられました。

過去の災害時、愛犬との避難において「最も困ったこと・苦労したこと」は何ですか?


「ペット可の避難所がないので、自宅に居た」「避難所への受け入れ拒否」といった、避難所という選択肢自体を絶たれてしまった経験が挙げられています。また、「避難所は利用せず、車内で1泊した」という声からは、周囲への遠慮や環境の悪さから、やむを得ず過酷な車中泊を選択せざるを得ない実態が見えてきます。

さらに、避難行動そのものの困難さとして「高層マンションで災害でエレベーターが使えず、抱いて階段を降りることになった時の苦労」といった声や、避難後の生活課題として「フード不足・食欲低下」「夜泣きや吠え」といった、愛犬の心身のケアに関する切実な苦労も明らかになりました。

これらの声は、事前の備えだけでは解決できない「避難時の居場所の確保」や「周囲との共存」という、飼い主が直面する大きな壁を示しています。

避難生活を経験して、「事前に準備しておけば良かった」と後悔した物や、やっておくべきだったトレーニングはありますか?


過去の過酷な経験を踏まえ、避難生活を経験したからこそ見えてきた「事前に準備しておけば良かった物」や「やっておくべきだったトレーニング」についても伺いました。寄せられた切実な声からは、「物理的な備え」と「日頃のしつけ」の両軸がいかに不可欠であるかが分かります。

命を繋ぐ「専用物資」の備え


「ワンコ用品も入った防災リュックの準備、餌の確保に苦労した」という声に加え、「病気持ちの愛犬は食べられるフードが限られているため、十分な量の確保が必要」といった意見が寄せられました。
特にアレルギーや持病がある愛犬にとっては、平時から専用フードを多めに備蓄しておくことが文字通り「命綱」になることが再認識されました。

環境変化に耐える「心と行動」のトレーニング


さらに目立ったのが、避難環境に順応するためのトレーニング不足への後悔です。
「すぐにケージに入ってくれる訓練」や、「犬が周囲に敏感になり寝られなかった。ハードケース等に入れても暴れないようトレーニングが必要だと感じた」など、クレート(ケージ)での生活に慣らしておくことの重要性を痛感する声が多数寄せられました。

また、「(阪神大震災時)臆病な柴だったので吠えもしませんでしたが、もっと社会性を教えておけばよかったです」といった、非常時のパニックを軽減し、落ち着かせるための「日頃からの社会化トレーニング」の必要性を訴える声も印象的です。

「いざ」という時のために、今私たちができること

では、私たちは今、何を備えておくべきなのでしょうか。

避難が必要になった場合、ワンちゃんの同行避難場所について知っていますか?

災害発生時、愛犬の「同行避難場所」について知っているか調査したところ、「同行避難場所があるかどうかも知らない」と回答した人が最も多く、126人に上りました。
次いで「同行避難場所があることは知っているが、場所や利用方法は不明」が53人となり、全体の9割以上(179人)の飼い主が、いざという時の避難先やその利用方法を明確に把握できていないことが明らかになりました。
一方で、「場所を知っており、具体的な利用方法も把握している」と回答した人はわずか15人にとどまり、愛犬との同行避難における平時からの情報収集の難しさや、自治体・地域ごとのルールの周知不足という、社会的な課題が浮き彫りになる結果となりました。

ワンちゃんの迷子対策として、マイクロチップの装着や鑑札・迷子札の装着を行っている飼い主さんは184人

災害時、パニックになった愛犬と離れ離れになってしまうリスクに備え、「迷子対策」の現状についても調査しました。その結果、最も多かったのは「マイクロチップを装着している」で133人に上りました。
次いで、「鑑札・迷子札を装着している」と回答した人が51人となりました。近年の法改正によるマイクロチップ装着の義務化などの背景もあり、多くの飼い主が愛犬の身元証明に対して高い意識を持っていることが分かります。
しかし一方で、「どちらも行っていない」と回答した人も44人(全体の約2割)おり、万が一被災時に迷子になってしまった際、飼い主の元へ無事に戻るための手段を全く持たないケースが一定数存在しているという課題も浮き彫りになりました。

ワンちゃんと共に避難するための訓練やシミュレーションに参加したことがありますか?

いざという時の実践的な備えとして、「ワンちゃんと共に避難するための訓練やシミュレーションへの参加経験」について調査したところ、最も多い回答は「いいえ、参加したことはないが、参加したい」で130人に上りました。
次いで「いいえ、参加したことはないし、参加する予定もない」が57人となりました。一方で、「はい、一度だけ参加したことがある(6人)」「はい、定期的に参加している(1人)」と回答した人を合わせても、実際に訓練を経験したことがある飼い主はわずか7人(全体の約3.6%)にとどまるという非常に衝撃的な結果となりました。

全体の6割以上(130人)が「参加したい」という高い意欲を持っているにもかかわらず、実際の行動に移せている人が極端に少ない背景には、「愛犬と一緒に参加できる防災イベントが身近にない」「どこで訓練できるのか情報がない」といった、実践的な機会の圧倒的な不足があると考えられます。飼い主の「備えたいのに、どうすればいいかわからない」という孤立した現状が浮き彫りになりました。

愛犬との健やかで豊かな毎日は、いざという時の「安心」の土台の上に成り立っています。このアンケート結果が、飼い主様とワンちゃんの防災を見直すきっかけになればと思います。
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