犬も年齢を重ねるとともに病気のリスクが高まり、様々な不調が出てきます。しかし大切なペットには、できるだけ元気に長生きしてもらいたいですよね。
そこで老犬をなるべく病気から遠ざけ、健康的に過ごしてもらうための健康管理についてご紹介していきます。
6~8歳頃から老化が始まる
まず、犬は何歳頃からシニアと呼べるのでしょうか。これは犬種や体の大きさによって異なります。
人間の場合は65歳以上を高齢者と呼ぶひとつの目安としていますが、犬の場合はおおよそ小型犬や中型犬は8歳から、大型犬は6歳から老齢期と覚えておきましょう。
子犬の頃の成長は小型犬の方が早いのですが、その後は大型犬の方が成長が早く、老犬になる年齢も早いとされています。
犬の場合、成犬になってからは見た目があまり変わらないので、愛犬がシニアに突入していることに気がつきにくいかもしれません。
しかし体の老いは少しずつ健康面に現れてきます。体力が落ちて運動量が減ったり、足腰が弱くなったり。食が細くなったり、夜眠れなくなったり。
筋肉量や消化機能の低下により、失禁や便秘を起こすこともあります。また体温調節が難しくなり、寒さや関節の痛みによる震えを起こすことも。
そして老化を原因とする、がんや心臓病といった病気にかかってしまうこともあります。愛犬の様子がこれまでと違うと感じたら、それは老化現象かもしれません。
老犬の健康管理に大切な6つのポイント
では、年をとってからもなるべく健康的に過ごしてもらうにはどうしたら良いのでしょうか。元気に長生きしてもらうには、日頃の健康管理が大切になります。
老犬に必要な6つの健康管理方法をご紹介しましょう。
1.定期的な健康診断
老犬になると、老化を原因とする様々な疾患にかかりやすくなります。初期には症状が出にくい病気も多いので、元気そうに見えても定期的に健診を受けるようにしましょう。
2.ワクチンの接種
ワクチンの接種によって、重篤な感染症を防ぐことができます。ただ体力的に心配という飼い主さんは、混合ワクチンの場合5種や8種など種類があるので獣医師に相談しましょう。
3.肥満を防ぐ生活習慣、食生活
肥満は心臓に負担をかけて足腰を弱める、あらゆる病気のもとです。高カロリーな食事を抑えて栄養バランスの良い食生活を心がけ、適度な運動を促しましょう。
4.歯石のチェックと除去、予防
犬も歯周病になり、歯が抜けてしまうことがあります。特に小型犬は歯が小さく、歯石がたまりがち。日頃から歯磨きを心がけ、歯石がひどい場合は獣医師に除去してもらいましょう。
5.ストレスを与えない
ストレスは心身の病気のもとであり、老化を進めてしまうこともあります。たとえ失禁しても大声で怒鳴ったりしてはいけません。
おもちゃで遊んだり散歩にでかけたりしてストレスを解消してあげましょう。
6.避妊や去勢手術
避妊・去勢手術は、子犬を増やさないというだけでなく生殖器関連・ホルモン関連の病気の予防になります。
病気のリスクを下げるためにも、獣医師と相談して行うと良いでしょう。
老犬になったら子犬の時とは違う対応を
愛犬が老犬になってしまった時、あるいは今飼っている愛犬が老犬になる未来を見据えて、自分にできることは何かをしっかりと考えましょう。
そのために必要なことは、知識をつけることです。老犬とはどんな状態か、必要なことは何か、獣医師さんと相談しながら探っていきましょう。
老犬を飼う時の代表的な注意点は以下のとおりです。
散歩などの運動のサポート
年をとるとあまり散歩に行きたがらなくなるかもしれません。しかし適度な運動は必要です。
ゆっくりと歩く、足腰に負担の少ない芝生や土の上を歩く、体調によってコースを短くする、カートに乗せるなどサポートしてあげましょう。
あまり歩けないほど足腰が弱っている場合でも、ぜひ抱っこしてお気に入りの場所まで連れていってあげてください。
食事の与え方
食が細くなっても充分な栄養が摂取できるように栄養分の高いフードを与えたり、消化機能が低下していても消化しやすいように柔らかいフードを与えたりと工夫しましょう。
また、脱水にならないよう水分補給も心がけてください。
健康管理
定期的な健診やワクチン接種はもちろん、愛犬が落ち着いてくつろぐことのできる空間づくりも大切です。安心できるハウスを用意してあげるのもひとつの手。
またブラッシングなどで触れ合ったりすると健康状態がわかりやすくなります。
まとめ
愛犬の老化は、飼い主としてはなかなか直視しにくいものかもしれません。しかし大切な家族だからこそ、最後まで健康かつ幸せに暮らしてもらいたいですよね。
そのためにも、飼い主が老犬に関する知識をしっかりと深めておくと良いでしょう。