毎日犬を散歩に連れて行くとき、そこで適切なカロリー消費をさせていなければ肥満につながってしまいます。
しかし、急に運動させすぎても犬にとっては負担になるため、適度な運動を心がけることが大切です。
では、犬が散歩で消費するカロリー、また必要な摂取カロリーとはどれくらいなのでしょうか。
犬が散歩で消費するカロリーとは
犬が散歩をするとき、消費されるカロリーを計算式で求めることができます。その計算で求められるカロリーは「運動時エネルギー要求量(EER)」です。
これを求めるには、(1.77d×BWのマイナス0.4乗)+(1.25×BWのマイナス0.25乗)という式が用いられます。この式におけるdは運動した距離(km)、BWは犬の体重(kg)です。
ただし、この式での計算は難しいため、求められる1kmあたりのEERを大まかに下記に記載します。
- 体重3kg…6kcal
- 体重6kg…10kcal
- 体重10kg…14lcal
- 体重15kg…19kcal
- 体重20kg…23kcal
- 体重25kg…26kcal
- 体重30kg…30kcal
これは、犬の散歩によるカロリー量を示したものです。無理に小走りの状態を続けるのではなく、通常の散歩のペースで消費されるカロリー量と考えていいでしょう。
例えば、体重6kgの犬に30kcalを消費させたいとき、散歩させる距離を求めるには、30kcal(消費カロリー)÷10kcal(1kmあたりの消費カロリー)=3kmとなります。
この数値を適用するときに注意したいのは、上記の例でいうと3kmの距離を連続して運動させないことです。
連続した運動をすると、犬の体は少量のカロリーで多くの運動ができるようになってしまいます。簡単に言うと燃費が良くなってしまうということです。
長い距離を休憩なしに散歩するより、何回か休憩を入れながら散歩した方が、よりカロリーを消費しやすくなります。
さらに、カロリーの消費量を増やしたいからといって小走りの状態を長く続けるなどの無理をさせると、犬の体に負担がかかるだけではなく、大きなストレスを与えてしまいます。ゆっくりとしたペースで歩かせるのが一番効率もよく安全です。
1日の必要カロリーを知って食事量を調整
では、犬が1日に必要としているカロリーはどれくらいなのでしょうか。その数値を求めるには、70×犬の体重の0.75乗(安静時エネルギー要求量・RER)×必要係数という式を使います。
ちなみにRERを求めるには、電卓で犬の体重の3乗→√を2回押す→70をかけるという順序で計算できます。
この式で求められるのは、「1日あたりのエネルギー要求量(DER)」です。そして必要係数とは、犬のライフステージに合わせて設定された係数を指します。
例えば、犬の状態によって下記のような係数が設定されています。
- 離乳~4ヵ月…3
- 4ヵ月~1歳未満…2
- 去勢、避妊手術をしていない成犬…1.8
- 去勢、避妊手術をした成犬…1.6
- 肥満気味…1.4
- シニア犬…1.4
- 妊娠前期…1.8
- 妊娠後期…3
例えば、体重10kgで10ヵ月の犬が1日に必要なカロリーは、70×10の0.75乗=394kcal(RER)×2=788kcalとなるのです。
つまり、この条件に当てはまる犬には1日に788kcalの食事を与えればいいことになります。
では、例えば100gあたり350kcalのドッグフードを与えるとき、何gであれば適正かの計算をしてみましょう。
計算すると788kcal÷350kcal×100g=225.1428…となり、およそ225gのドッグフードが必要ということがわかります。
ただし、このような式で求めた数値はあくまで目安です。実際には、犬の体調や状態、筋肉量などを考えて、カロリーが多そうなら量を減らすなど臨機応変に対応するのがいいでしょう。
それは消費カロリーについても同じことです。前述のような計算を用いて消費すべきカロリーを求めたとしても、犬の状態によって加減することが必要です。
最初は求めた数値にしたがって、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを考えてみるようにします。
そして毎日犬の体をチェックして、もし太ってきたり痩せてきたりするようであれば、柔軟にバランスを変えるようにしましょう。
まとめ
犬の消費カロリーと摂取カロリーについては、今回紹介したような数式で求めることができます。
しかし大事なのは、数値だけではなく愛犬の状態と向き合って調整することです。過度な運動や急激な食事量の減少など、犬に負担がかかるのを避け、ゆっくりと散歩をしながら適切なカロリーコントロールを行ってください。