牛乳は、犬にとって下痢をはじめとした諸症状を引き起こす可能性がある飲み物です。そのため、犬には少しであっても牛乳を与えてはいけません。この記事では、犬が牛乳を飲んではいけない理由と、万が一飲んでしまった場合の対処法などについて解説します。
牛乳を犬に与えてはいけない理由と中毒症状
牛乳を犬に与えると、栄養過多による肥満のほか、牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)を消化できない「乳糖不耐症」や「牛乳アレルギー」による下痢をはじめとした諸症状を引き起こす可能性があります。そのため、犬には牛乳を与えないことが大切です。
乳糖不耐症
乳糖不耐症は、牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)を消化するための酵素(ラクターゼ)が少ないことで起こる病気です。犬の小腸で乳糖の消化吸収がスムーズに行われないことにより、下痢をはじめとした症状が出ます。下痢の症状が出るまでの期間の目安は、牛乳を摂取してから半日以内です。乳糖を分解する酵素は、成犬に近づくにつれて減っていくため、年齢が高い犬ほど注意が必要です。
牛乳アレルギー
犬の中には、牛乳に含まれる成分に対してアレルギー症状を出す牛乳アレルギーの犬もいます。牛乳アレルギーの症状は、下痢、嘔吐、発疹、脱毛などで、牛乳を摂取してから2~3日後に症状が出るケースが多くなっています。
犬が飲んではいけない牛乳の量や種類
犬が飲んではいけない牛乳の量は明確に数値化されておらず、犬の体格や体質によって異なります。 人の牛乳アレルギーを調べる試験では、少量の3ml、中等量の15~50ml、日常摂取量の200mlと段階を少しずつ上げて、アレルギーの有無を調査します。犬よりも大きい人が3ml程度の牛乳の摂取でアレルギー症状を引き起こす可能性があることから、犬の牛乳の許容量については明確な基準を出すことができません。犬に牛乳を与えるのは避けましょう。
参考:食物アレルギー研究会HP
犬が牛乳を飲んでしまったら動物病院へ
犬が牛乳を飲んでしまった場合は、家庭でできることは基本的にありません。飲んだ牛乳を薄めるために大量の水を飲ませると、下痢の症状がかえって悪化する可能性もあります。まずは症状の有無にかかわらず、動物病院に問い合わせましょう。 受診の必要がないと言われた場合にも、後から症状が出る可能性があるため、2~3日は経過を観察してください。下痢や嘔吐のほか、ぐったりしているといった症状が出ている場合は、病院をすぐに受診します。下痢や嘔吐の症状がある場合は、適切な処置を検討するため、便や吐しゃ物を病院に持参したうえで、飲んだ牛乳の量や症状が出た時間について説明できるようにしておきましょう。
犬の牛乳の誤飲を予防する方法
犬が牛乳を誤食することを避けるには、拾い食いや盗み食いをしないよう、普段からしつけをしておくことが大切です。そのうえで、飼い主が牛乳を飲むときは愛犬の手が届かない位置に置き、飲み残した場合はすぐに片付けるように意識しましょう。