
人間も一般的に中年以降は脂肪がつきやすくなりますが、犬も老犬になると若い頃より太りやすくなることをご存知ですか?
老犬の場合、一度肥満になってしまうとダイエットはなかなか大変です。食事と運動で、無理なく減量していきましょう。その方法をご紹介します。
老犬の肥満は代謝と筋肉量の低下から
老犬は、若い犬に比べて太りやすいとされています。それは何故でしょうか?いくつか原因があります。
若い犬に比べて代謝が落ちるから
年齢を重ねるにつれて筋肉量が低下し基礎代謝が落ちるため、エネルギーの消費率が低下します。一説によると、老犬の一日の必要カロリーは若い犬に比べて20%も低下するとか。
消費されるカロリーが少ないのに若い頃と同じような食事をしていれば、使われなかったカロリーは脂肪として蓄積されていきます。
運動量が減り脂肪が溜まりやすくなるから
老犬になると、筋肉が減ったり体力が落ちたりして、どうしても運動量が減ってしまいます。若い頃は元気に走り回っていたのに、年を取ったら散歩を嫌がるようになる犬も。
運動不足になると、当然脂肪もどんどん溜まっていきます。また運動不足によって便秘がちになり、余計に体重が増加するワンちゃんもいます。
咀嚼力が弱くなり蓄積されやすいから
年をとると、顎の力が弱くなったり歯が減ったりして「噛む力」が低下します。するとよく咀嚼する前に飲み込んでしまい、次の食事を口に運ぶといういわゆる「早食い」に。
満腹中枢が刺激される前にどんどん食べてしまうので食事量自体も増える上、血糖値が急上昇して太りやすくなります。
犬が肥満になると、大きくなった体の隅々まで血液を送らなくてはならないため心臓に負担がかかり、<<心臓病のリスクが上がってしまいます。>>
また太った体を支えるため肘や膝に負担がかかり、変形性関節症や関節炎の原因に。その他、糖尿病や呼吸器疾患といった病気のリスクも上がります。
肥満の犬は適正体重の犬に比べて寿命が2年以上短くなるというデータもあるので、頑張ってダイエットを行いましょう。
食事と運動で無理なくダイエット!
愛犬のダイエットを実行!と飼い主が意気込んでも、年をとったワンちゃんに急激なダイエットは大変な負担です。
ダイエットの基本は食事と運動。まずは犬種と年齢に合った目標体重を設定し、正しい方法で無理せず穏やかに減量していきましょう。
老犬のダイエットの具体的な方法をご紹介していきます。
摂取カロリーを制限し、食事回数を分ける
ワンちゃんが欲しがるままに食事をあげてしまう方は注意しましょう。犬は人間と違い、適切な量でも10秒程度でパッと食べてしまうもの。常に空腹の方が健康だとも言われています。
「足りないの?」と追加であげたり、ねだられるままにおやつをあげたりしないようにしてください。
一日に必要な食事量をきっちりと決め、食事回数を分けてこまめに与えると良いでしょう。
一回の食事量を減らし、その分食事の回数を多くすることで、空腹を感じる時間が減りワンちゃんのストレスを減らすことができます。
更に食事を食べることでもエネルギーは消費されるので、脂肪が蓄積されにくくなるはずです。
食事内容(ドッグフード)の見直し
食事そのものの見直しも必要です。若い頃に食べていた高カロリーのドッグフードをやめ、低カロリー高タンパクなドッグフードに切り替えましょう。
特に動物性タンパク質は犬にとって重要な栄養素で、筋肉をつくるもととなります。原材料を吟味し、カロリーを抑えつつもしっかり動物性タンパク質が摂れるものを選ぶと良いでしょう。
食事の量を急に減らすとストレスが大きい場合でも、食事内容を変えるだけでダイエットになることもあります。
運動は犬が喜ぶ工夫を
運動はダイエットに効果的ですが、老犬の場合無理は禁物です。急に負荷の大きな運動をさせると返って足腰を痛めたり心臓に負担がかかったりするので、無理のない範囲で行いましょう。
たとえば、散歩の日課があるワンちゃんなら少し距離を伸ばしてみたり、階段や坂道のあるコースにしたりすると効果的です。
散歩を嫌がるようなら、無理強いせずにカートで公園まで連れて行って少し遊ばせたり、家の中でボールやおもちゃで遊んだりしても良いでしょう。
獣医師さんとも相談しながら、適切な方法を探してみてください。
まとめ
肥満は老犬にとって健康を脅かす大きな敵ですが、犬は自分で体重をコントロールすることはできません。
太ってしまったら、飼い主がしっかりとコントロールしてあげましょう。無理のない範囲で、ワンちゃん・飼い主とも楽しくダイエットしてくださいね。