
いつも元気なワンちゃんが、突然ブルブルと震え出したら心配になってしまいますね。犬の震えと一口に言っても、その原因は多種多様。
頻繁に震える場合や、震えではなく痙攣など、様々なケースがあります。今回は犬が震える原因と、考えられる病気についてご紹介しましょう。
その震えは「カーミングシグナル」かも?
犬が震えている時にまず考えられるのは、「カーミングシグナル」です。カーミングシグナルとは、犬が自分の感情を相手に伝えたり争いを避けたりするために使うボディランゲージのこと。
「カーミング」は「落ち着かせる」、「シグナル」は「信号」という意味なので、文字通り自分自身もしくは相手を落ち着かせるための行動となります。
「目を細める「お腹を見せる」などカーミングシグナルは27種あるとされており、「震える」もそのうちのひとつです。
では、ブルブルと震えるカーミングシグナルにはどのような意味があるのでしょうか。
自己防衛
犬はストレスを感じた時にブルブルと体を震わすことで、緊張状態をほぐそうとします。嫌なことをされた時や怒られた時、また病院で不安な時などに自分を落ち着かせるために震えます。
ストレスの要因を取り除いてあげるか、病院などが終わったら思いっきり褒めてあげると良いでしょう。
飼い主に構って欲しい
たとえば我慢して留守番をしていたワンちゃんは、飼い主が帰ってきた時に感情を抑えきれずにブルブル震えることがあります。
また、以前に震えた時に飼い主が「どうしたの?」と心配してくれたことを覚えているワンちゃんは、構ってほしくてわざと震えてみせることもあります。
寒さ?恐怖?震えの原因は多種多様
カーミングシグナル以外にも、犬が震える原因はたくさん考えられます。代表的なものを見ていきましょう。
・寒さによる震え
人間と同様に、犬も寒い時は筋肉を震わせることで発熱を促します。特にチワワなどの小型犬は体温の低下が早く、寒がりだとされています。
恐怖感による震え
自分より大きな犬に会った時、花火や雷など大きな音がした時、家族が激しく口論をしている時など、恐怖を感じた時にも震えます。
飼い主が酔っているなど、いつもと様子が違うだけでも怖がることも。
警戒心による震え
知らない人間が家に来た時や、新しい散歩コースを通った時、聞き慣れない音がした時などには警戒心が高まります。人間には聞こえないような遠くの音を感じ取っていることもあります。
老犬の震え
年齢と共に筋力が低下すると、体を支えきれなくなって震えてしまいます。また太りすぎが原因のこともあります。
ヘルニアやてんかんといった病気の可能性も
犬の震えが、病気からきていることもあります。特に言葉を発せないワンちゃんは、「痛み」を震えで表すことも多いです。
以下、考えられる代表的な病気をご紹介しましょう。それぞれ他の症状や思い当たることがないかチェックしてみてください。
ヘルニアなどの痛み
ケガや腰痛などの痛みで震えていることも。特に「椎間板ヘルニア」は背骨と背骨の間にある椎間板が突出し、神経を圧迫して激しい痛みを起こす病気です。
じっとしていて呼んでも来ない、散歩に行きたがらない、抱き上げると悲鳴を上げるなどの症状がないか確認しましょう。
ダックスフンドなど足が短く胴が長い犬種に多く起こります。
腫瘍による痛み
犬も悪性腫瘍(ガン)の罹患率は高く、進行すると痛みを感じると言われています。しこりがある、食欲がない、呼吸が荒いなどの症状に気を付けましょう。
また脳腫瘍の場合は、痛みを我慢して震えているのではなく痙攣として震えることがあります。
てんかんによる発作の震え
てんかんは、定期的に発作(痙攣)を繰り返す脳の病気です。倒れてガタガタと痙攣しても30秒ほど経つとケロッとしているのであればてんかんかもしれません。
ここまで大きな痙攣でなくとも、一見ただの震えのように思える軽い痙攣を起こすこともあります。
この他、尿毒症や玉ねぎなどの中毒症状、低血糖、感染症など様々な病気が考えられます。おかしいと思ったら、すぐに獣医さんに診てもらいましょう。
まとめ
愛犬の震えにはビックリしてしまうかもしれませんが、そんな時こそ冷静に原因を探りましょう。
飼い主の行動で愛犬のストレスを減らし、震えを止めてあげられるかもしれません。
ただリラックスできる状況で何日も震えが止まらないような場合は、すぐに受診するようにしてくださいね。